日本の坂口志文教授が、メアリー・E・ブランコウ氏、フレッド・ラムズデル氏とともに2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。坂口教授は1995年に「制御性T細胞」を発見。これは自己免疫疾患やアレルギー反応の抑制に重要な役割を果たす細胞で、がん治療や臓器移植における拒絶反応の抑制など、様々な免疫疾患の治療・予防への応用が期待されています。
74歳の坂口教授は、京都大学医学部を卒業後、米国での研究生活を経て、大阪大学特別招へい教授を務めています。かつては自身の研究が10年間も無視されるなど苦難の道のりでしたが、揺るぎない信念で研究を続けました。今回の受賞は、日本人として6人目の生理学・医学賞、全体で29人目のノーベル賞受賞となります。
受賞後、坂口教授は免疫学のさらなる発展と臨床応用への期待を語る一方で、日本の基礎科学支援や研究投資の現状への懸念も示しました。彼の功績は、長年の地道な研究が実を結んだ象徴として、世界中で高く評価されています。