第77回正倉院展が10月25日、奈良国立博物館で開幕しました。毎年秋の恒例行事で、今年は聖武天皇ゆかりの品やシルクロードを通じた国際色豊かな宝物など、初出陳6件を含む全67件が公開されています。特に注目されているのは、織田信長ら歴代の権力者がその香りを求めたとされる名香「蘭奢待(黄熟香)」です。また、西アジア製のガラス器に東アジアの意匠が施された「瑠璃坏」も13年ぶりの公開で、東西交流を象徴する逸品として人気を集めています。聖武天皇ご愛用の双六盤や、東大寺大仏開眼法要に使われた「天平宝物筆」なども見どころです。会期は11月10日までで、日時指定入場制が導入されています。