大阪府箕面市の名物「もみじの天ぷら」が、今年の記録的な猛暑の影響で原料となる食用もみじの収穫量が激減し、危機に瀕しています。もみじの天ぷらには、観賞用とは異なる「一行寺楓(いちぎょうじかえで)」という専用の品種が使われ、1年以上かけて塩漬けするなどの手間暇をかけて作られる伝統的な品です。本来、食用もみじは緑色から鮮やかな黄色へと色づきますが、猛暑による水分不足で赤く変色したり、枯れてしまうケースが多発。赤く変色した葉は品質が落ちるため廃棄せざるを得ず、製造元の店主は「箕面以外の場所で栽培するしかないかもしれない」と苦悩を明かしています。この問題は、地域の食文化と気候変動との関連性を示しており、その背景には、丁寧に育てる職人たちの努力があります。箕面では同様に、希少な「実生ゆず」も温暖化の影響を受けていることが報じられています。