#トランスジェンダー女子大に広がるトランス女性受け入れの波紋
全国の女子大学において、出生時の性は男性で性自認が女性の「トランスジェンダー女性」の学生を受け入れる動きが加速しています。毎日新聞の調査によると、すでに7校が受け入れを認めており、さらに16校が検討中であることが明らかになりました。2020年度にお茶の水女子大や奈良女子大が先行して受け入れを開始し、その後日本女子大や津田塾大などが追随しています。
しかし、この受け入れには複雑な議論も伴います。大学側は、性自認の確認方法として医師の診断書や家族の意見書、面談などの事前審査を導入していますが、対応は各大学で異なります。
社会からは「なぜ共学ではなく女子大なのか」という疑問が上がる一方で、トランスジェンダー当事者は共学環境での生きづらさから、女性として安心して学べる「セーフティースペース」として女子大を希望する切実な理由があります。この問題は、既存の学生が求める「身体的男性がいない安心」と、トランスジェンダー学生が求める「女性として受け入れられる安心」という、双方の「安全」への欲求が衝突する難しさを抱えています。
話題の理由
女子大学がトランスジェンダー女性の学生を受け入れる問題は、長年培われてきた女子大学のあり方と、現代社会における多様性や個人の権利が衝突する点が大きな要因です。既存の女子学生が求める「身体的男性がいない安心」と、トランスジェンダー女性が安心して学びたいと願う「女性としてのセーフティースペース」という、異なる「安全」への欲求がぶつかり、議論が活発化しています。また、性自認の確認方法など、具体的な制度設計の難しさも注目を集めています。