2022年4月に北海道知床半島沖で発生し、乗客乗員26人が死亡・行方不明となった観光船「KAZUⅠ」沈没事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(62)の初公判が11月12日に釧路地裁で開かれました。桂田被告は、被害者家族に謝罪の言葉を述べつつも、罪状認否では「罪が成立するか分からない」と認否を留保し、弁護側は「事故を予見することはできなかった」として無罪を主張しました。
検察側は、桂田被告が安全統括管理者兼運航管理者として、悪天候が予想される中で出航中止を指示する義務を怠ったと指摘。一方、被告は船長から「荒れる前に引き返す」と聞いたため出航を認めたと説明しています。この裁判では、船に乗っていなかった運航会社社長が事故を予測できたかどうかが最大の争点となります。海難事故において直接船を操縦していない運航会社社長の刑事責任が問われるのは極めて異例であり、多くの傍聴者が公判に訪れ、社会的な関心の高さを示しました。