安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われている山上徹也被告の裁判員裁判で、12月2日に開かれた被告人質問の内容が報じられました。山上被告は、旧統一教会に多額の献金をして一家を困窮させた母親への恨みが動機であると改めて述べ、当初は教団幹部を狙っていたことを明かしています。しかし、手製銃の製造などで借金が200万円以上に膨らみ経済的に切迫した状況で、旧統一教会と政治の「関わりの中心にいる」と考えた安倍元首相を標的に変更。「他の政治家では意味が弱いと思った」と語りました。事件前日には旧統一教会関連施設を銃撃し、岡山での安倍氏襲撃も試みたが失敗。その後、奈良での安倍氏の演説を知り、「偶然とは思えない」と感じたといいます。銃撃時は「なるべく何も考えないようにしていた」とも供述。裁判員から「目的は達成したか」と問われると明言を避けましたが、事件が旧統一教会の解散命令や不当寄付勧誘防止法の成立につながったことも報じられています。