合成麻薬「フェンタニル」は、医療分野でモルヒネの100倍もの鎮痛効果を持つ強力な薬として利用される一方、米国では過剰摂取による死者が年間数万人に上り、「ゾンビ」のような症状を引き起こす深刻な社会問題となっています。日本国内では、財務省の税関が2010年から2018年にかけて国際郵便による密輸を4件摘発しましたが、2019年以降の事例はありません。一方、警察庁はこれまでに全国の警察が合計17件のフェンタニル関連の摘発事例を確認したと発表しており、医療関係者による不正な所持や使用、窃盗などが含まれ、死亡事例も報告されています。警察庁は国内での乱用拡大を否定していますが、専門家は日本も「対岸の火事ではない」と警鐘を鳴らしており、中国組織による不正輸出の疑いも指摘されるなど、国際的な薬物問題として日本でも警戒が続いています。