2020年に兵庫県宝塚市で発生した親族4人殺傷事件で、祖母、母、弟の3人をボウガンで殺害し、伯母に重傷を負わせたとして殺人などの罪に問われた野津英滉被告に対し、神戸地裁は無期懲役の判決を言い渡しました。検察側は死刑を求刑し、弁護側は心神耗弱を主張しましたが、裁判所は「心神耗弱は認められず、完全責任能力を認める」と判断しました。しかし、無期懲役とした理由として、被告の自閉スペクトラム症が「死刑になる」という極端な思考に影響を与えたこと、不遇な家庭環境、精神科を受診できなかったことなどを挙げ、「被告を一方的に非難できず、死刑が真にやむを得ないとは言えない。生涯をかけて罪に向き合わせるべき」としました。この判決は、刑事責任能力の判断や、発達障害と犯罪、そして量刑のあり方について社会に問いを投げかけるものとなっています。