2025年10月8日、京都大学理事・副学長の北川進氏がノーベル化学賞を受賞したことが速報されました。北川氏は、分子レベルの微細な穴を多数持つ「多孔性金属錯体」(MOF: Metal-Organic Frameworks)という画期的な多孔性材料の開発で高い評価を受けました。この材料は、活性炭よりも多様な形で設計可能で、多くの物質を取り込める特性があります。特に、次世代エネルギーとして注目される水素ガスなどの効果的な分離・貯蔵を可能にし、省エネルギー化への貢献が大きく期待されています。日本人研究者としては、2019年にリチウムイオン電池の開発で受賞した吉野彰氏以来、9人目のノーベル化学賞受賞という快挙となります。発表前には、日本の複数の研究者が有力候補として名前が挙がり、注目が集まっていました。