安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判が、10月28日から奈良地裁で始まります。これに先立ち、21日に公判前整理手続きが終了し、争点や証拠が絞り込まれました。最大の注目点は、弁護側証人として被告の母親が出廷することが明らかになった点です。山上被告は、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)への母親の高額献金によって家庭が困窮し、その恨みから安倍元首相を銃撃したと動機を供述しています。弁護側は、母親の証言を通じてこの家庭環境や宗教問題が事件に与えた影響を主張し、情状酌量を求める方針です。一方、検察側は手製銃の構造や威力などを鑑定した専門家の意見に基づき、被告に高い計画性や強固な殺意があったことを立証する構えです。裁判は12月18日までに計18回開廷し、2026年1月21日に判決が言い渡される予定です。この裁判は、事件そのものの重大性に加え、背景にある宗教問題が改めて社会に問いかけられることになります。